自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行は19日、フジテレビとNHKの番組で論戦を展開した。河野、高市両氏は新型コロナウイルスに対応する医療体制を確立するための政府の権限強化に言及。日本を狙うミサイルを相手領域内で阻止する敵基地攻撃能力保有論を巡り、河野氏が慎重姿勢を示し、前向きな岸田、高市両氏と立場の隔たりが出た。

 河野氏はワクチン接種について、厚生労働相や都道府県知事から医療機関への要請に限界があったと指摘。病床確保など医療体制構築へ「もう少し権限を使ったことをせざるを得ない」と述べた。「自衛隊の力を使って臨時病院を速やかにつくることができるようにする」とも主張した。

 高市氏は「一定の罰則を設ける。緊急時には協力していただかなければいけない」と強調。国や地方自治体が医療機関や医療従事者に病床確保を命令する権限を持たせる法案を、次期通常国会に提出する考えを示した。野田氏は命令権限には反対した。

 4氏とも非核三原則の見直しに賛成しなかった。岸田氏は非核三原則について「北朝鮮に大量破壊兵器の放棄を訴えている中、日本が見直しの議論をすると間違ったメッセージを与える」と語った。野田氏も「日本は世界で唯一の被爆国だ」と話した。

 敵基地攻撃能力に関し、岸田氏が「用意しておくことも考えられる」と語り、高市氏は「敵基地の無力化をいかに早くするか」として精密誘導ミサイルの必要性を力説した。河野氏は中国への抑止力に言及し「勇ましい掛け声が良いというものでない」と主張。敵基地攻撃能力は「かえって不安定化させる要因」とした。野田氏は「最高の安全保障は優れた外交だ。自衛隊にあまり負担が掛からないソフトパワー発揮が日本の持ち味だ」と訴えた。

 4氏とも河井克行、案里夫妻の公選法違反事件など「政治とカネ」問題や、森友学園を巡る公文書改ざん問題に関し、党が説明責任を果たす必要があると声をそろえた。

このエントリーをはてなブックマークに追加