被害者が倒れていたとみられる事件現場付近。14日早朝から警察車両が路上をふさいだ=14日午前7時頃、鳥栖市酒井東町

 鳥栖市酒井東町の女性(79)が殺害された事件で長崎大4年の山口鴻志容疑者(25)が逮捕された14日、現場では早朝から警察車両が路地をふさぎ、物々しい雰囲気に包まれた。田畑に囲まれ、昔ながらの家屋が身を寄せ合うように立ち並ぶ地域。「まさかこんな田舎で殺人なんて」。住民たちは言葉を失った。

 近くの住民によると、10日昼すぎ、「ギャー」という悲鳴を聞き付けた近隣の住民が血まみれになって倒れていた女性を発見。救急車や警察車両が次々に駆け付け、一帯は騒然となったという。女性は当時、隣の親類宅の草取りをしている様子を住民が見ており、悲鳴が聞こえた後、親類宅の敷地内に倒れていた。午後1時20分頃、救急隊が駆け付けた時には夫が心臓マッサージを行っており、その後、鳥栖市内の病院に搬送された。

 サイレンに驚いて家を飛び出したという70代女性は「親類宅に野菜を届けた後に、除草作業をしていたみたい。被害女性と漬物のやりとりもできなくなり、つらい」と肩を落とした。別の住民たちは「逃げた人を見たという情報がなく、病気で倒れたのかと思っていた」「通夜の連絡がないまま、司法解剖されたと聞き、何事かと心配していた」と不安げに話した。

 被害女性は夫と2人暮らし。「田舎には珍しいくらい上品で、おっとりした方だった」と住民たちは口をそろえる。60代男性は「控えめな人だったが、奉仕活動や草むしりはよく参加されていた。『なぜあの人が』という思い」と残念な表情を浮かべた。地区の神社を訪れていた70代男性も「境内を掃除する姿を見かけていた」と話した。

 現場は九州自動車道の西側の田園集落。ある住民は「みんな顔見知りで、見知らぬ人が来たら気付く。なぜ大学生がこんな所に」と不審がった。(取材班)

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