今回開発した直径2インチ超の人工ダイヤモンドの結晶(アダマンド並木精密宝石提供)

 佐賀大理工学部の嘉数誠教授(60)=半導体工学=とアダマンド並木精密宝石(並木里也子社長、東京)は9日、共同研究している「ダイヤモンド半導体」で、実用化レベルで世界最大となる直径2インチ(約5センチ)サイズの開発に成功したと発表した。半導体メーカーの製造装置に対応でき、「企業の研究開発に拍車が掛かる」と期待を寄せる。

 シリコンが長く使われてきた半導体の基板素材では、シリコンカーバイトや窒化ガリウムなど新素材の開発や導入が進められている。そうした次世代半導体の中でもダイヤモンドは「究極の半導体」と呼ばれ、高出力や高周波に対応できる優れた特性を持つ。現在導入が進んでいる移動通信システム「5G」の次の「6G」携帯基地局や通信衛星、電気自動車などで使用される「パワー半導体」として期待されている。

 今年4月には1インチサイズで世界最高水準の高出力電力を制御できると発表していた。今回は基板を担当しているアダマンド並木精密宝石が、サファイアの上に人工ダイヤモンドの結晶を成長させる新たな方法を生み出し、2インチの製造に成功した。

 品質も向上し、4月発表時の2倍に相当する1平方センチ当たり345メガワット(約7万世帯の使用電力)を制御できるという。2025年には生産に必要な4インチサイズの開発を目指している。嘉数教授は「こちらは基礎研究で、実用化には実際に使用する企業の力がいる。パートナーを増やしてオールジャパンで取り組みたい」と話している。(宮﨑勝)

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