2組の客が帰り、注文が入った持ち帰り料理の準備をする居酒屋「かんすけ」の従業員=唐津市木綿町

要請を受け、開店を1時間早めている佐賀市の大衆鶏焼酒場トリボシ。店長の綾部愼吾さんは、時短解除で客足が戻ることを期待していた=7日午後6時半ごろ、佐賀市愛敬町

 「解除はうれしいけど…」。合併前の旧唐津市が対象となった「まん延防止等重点措置」が12日までで解除される見通しとなった7日、同市の飲食店主らは複雑な表情を見せた。売り上げの中心を占める酒の提供が禁じられてきただけに安堵(あんど)感が広がる一方、「客足はすぐには戻らない」「協力金がないときつい」との声も漏れた。

 人通りまばらな飲み屋街の木綿町。居酒屋「かんすけ」では、2組の客が午後8時前に店を出た。オーナーの白津均さん(46)は「まん防で酒を出せないと言うと帰るお客さんもいた。解除の見込みになってよかった」と胸をなで下ろす。

 刀町の居酒屋「だんらん」はまん防の期間中、予約客のみを受け付けた。店主の中山幸治さん(49)は「解除されてもお客さんが戻るかどうか。職場の飲み会もないだろうし、活気が戻るのはまだまだ先」とみる。「時短やまん防などの措置が何もなく、感染者だけが増えていた時期が一番怖かった。協力金があってよかった」と話す。

 「唐津だけ解除されれば、福岡から人が流れてくる」と予測するのは呉服町の居酒屋「はま蔵」の濵本龍美さん(68)。緊急事態宣言が発令中の隣県の対応に気をもみつつ、「感染者が減ったから解除でなく、近県の動きも見ながら対応を考えて」と注文した。

 「ありがたい」。知事の解除方針を聞き、町田の酒店「酒のナガタ」の社長永田政嗣さん(56)は安堵の表情を見せ、言葉をかみしめた。通常なら午後7時の閉店間際まで配達や客の対応に追われるが、まん防の期間に入ってからの配達は「ノンアルコールとジュースばかり」。「電話がない、(酒の)注文がない、配達がない。経験したことがない状況で、つらかった。仕事があるありがたみを感じた」と吐露する。

 県内全域の飲食店を対象にした県独自の時短営業要請も12日で解除される見通しになった。「大衆鶏焼酒場トリボシ」(佐賀市愛敬町)の店長綾部愼吾さん(23)は「人が通らず、売り上げを上げようにも上げられない状況だった」と時短要請期間を振り返りつつ、「客足は戻るのは期待できると思うが、仕入れの量をすぐ元に戻せるか…。1週間ぐらいは様子をみたい」と語った。(横田千晶、辻村圭介、大橋諒)

 

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