ツクツクボウシ(吉田喜美明さん提供、2003年、唐津市で撮影)

 「最近、セミが鳴いていません。いつもなら今の季節、ツクツクボウシが鳴いていると思うのですが…」。8月下旬、佐賀市鍋島町に住む読者から佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)に疑問の声が届いた。まちを歩いてみると地域差はあるようで、8月の大雨の影響があるのかどうか…。

 ツクツクボウシはほぼ全国に分布し、市街地や低い山地に生息し、発生のピークは9月上旬で「夏の終わり」を告げている。

 気象庁の資料によると、1953年から2002年までの佐賀で観測されたツクツクボウシの初鳴日は7月22日(1974年)が最も早く、最も遅い日は8月25日(1965年)。03年以降は調査していない。

 ただ、佐賀地方気象台の担当者は「地域によって差があるかもしれない。言い切ることはできない」としながらも「8月の長雨の影響があるのではないか」と推測する。

 環境省の希少野生動植物種保存推進員を務めた吉田喜美明さん(69)=唐津市=は、あくまでも可能性と前置きした上で「記録的な大雨になったお盆の時期と羽化する時期が重なり、脱出するための穴が浸水して地上に上がれなかった個体はいるだろう」と指摘する。

 読者の疑問を受け1、2の両日、佐賀市の県庁周辺を夕方歩いたところ、ツクツクボウシの鳴く声が響いていた。散歩中の人にも尋ねてみたが、大きな変化を感じている人はいなかった。大雨の影響は各地で違いがあり、やはり地域差があるのかもしれない。

 吉田さんは「ツクツクボウシは羽化したところにとどまらず、飛んで移動する。今もまだ発生期で9月いっぱいは鳴くだろう」と話す。お住まいの地域で鳴き声が聞こえるか、外出した際は耳を澄ませてみては…。(松岡蒼大)

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