佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画に関し、防衛省九州防衛局は3日、県有明海漁協所属の地権者らに配備候補地の売却意向などを尋ねたアンケートの結果、「売却する」が29%、「条件次第で売却する」が43%、「売却しない」が26%だったと漁協に報告した。今後、漁協は集計結果を判断材料とし、県との間で結んでいる自衛隊との空港共用を否定した協定を見直すかどうかの検討を進める考えを示した。

 アンケートは、地権者が所属する南川副、大詫間、広江、早津江の漁協4支所の組合員339人と非組合員218人の計557人に対し、防衛局が実施した。7月30日に発送し、8月27日に開封した。回答率は79%だった。

 「土地売却の意向」は三つの選択肢から一つを選ぶ方式で、回答は「条件次第で売却する」が最も多く43%を占めた。条件を記入する欄には、防衛局が示さなかったことで地権者が反発した「土地の価格」のほか、「土地の面積」「補償」「排水対策」「振興策」などが挙げられていた。

 組合員は「売却する(19%)」「条件次第で売却する(46%)」の合計が65%だったのに対し、非組合員は「売却する(45%)」「条件次第で売却する(38%)」の合計が83%に上り、現役漁業者かそうでないかで、開きが見られた。

 防衛省が取得予定の31ヘクタールは南川副支所の所有だが、ここを含む周辺一帯の約90ヘクタールは他の3支所にも地権者がいて、防衛省は取得を検討する姿勢を示している。南川副支所には最多254人の地権者がいて、「土地を売却する」が28%、「条件次第で売却する」が48%、「売却しない」は22%だった。

 「配備計画への理解」を尋ねる設問も3択で、最多は「理解する」の38%だった。次いで「どちらとも言えない」が34%、「理解しない」は27%となった。

 3日は、漁協の全15支所の代表者らでつくる配備検討委員会が開かれ、防衛局が集計結果を報告した。非公開の会合後、漁協の西久保敏組合長は記者団に「今後、各支所ごとに意見を集約してもらい、次回の検討委員会で持ち寄って話し合う」とし、秋口から本格化するノリ漁期中も検討を進める考えを示した。

 九州防衛局の遠藤敦志企画部長は「引き続き漁協の議論を見守る」と述べ、集計結果への評価は避けた。「条件次第で売却する」が40%以上を占めたことに関し、「回答できること、できないことがある。(土地価格を示すなど)今の時点でどうするかは答えられない」とした。

 漁協は、自衛隊との空港共用を否定した協定について「先に地権者の意向を確認した上で見直すかどうか判断する」とし、地権者説明会の開催を求めた。防衛局は6月30日から5日間、説明会を開いたが、地権者から「土地価格が示されないなど説明が不十分」との声が上がった。漁協はアンケートに難色を示したが、防衛局が「全責任を負う」と強行した。(栗林賢)

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