佐賀県内の医療現場からは、菅首相が退陣の意向を表明したことを受け、新型コロナウイルスへの対応に賛否の声が上がった。

 地域に根ざした医療施設として、連日ワクチン接種を続ける鳥栖市の70代の医師は「デルタ株の流行や若年層への感染拡大などの対応が遅い」。トップとしての情報発信力にも不満があり「国民を引っ張る気概が足りなかった。先頭に立つより二番手が似合いだったのかも」と皮肉った。

 佐賀市の50代の医療従事者は「新型コロナ対策と経済対策の両輪をきちんと回せなかった」とみる。その上で、医療従事者が日々疲弊する中、東京五輪・パラリンピックを開催したことで「国民の気が緩む可能性があった」と指摘した。

 県内の医療現場でコロナ対応に奔走した県医師会の松永啓介会長は、菅首相について「7月末までの65歳以上へのワクチン接種を強力に押し進めた」と一定評価した。実務に当たった医療関係者や自治体などの負担は大きかったが「高齢者への接種が一気に進んだ」と話す。一方でワクチン供給量の変更が相次いだことを挙げ、次の政権には「ワクチンの安定的な供給を」と政策の継続性を望んだ。(石黒孝)

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