勤務先の施設で従業員のバッグを盗んだとして、盗みの罪に問われた、佐賀市本庄町の男性被告(55)に、佐賀地裁は2日、「犯人とするには合理的な疑いが残る」などとして無罪判決を言い渡した。被告は一貫して無罪を主張し、検察側は懲役2年を求刑していた。

 起訴状によると、2020年11月19日午後1時55分ごろ、同市西与賀町の住宅型有料老人ホームで、出入り口の棚に保管された女性従業員の財布など17点が入った手提げバッグ(時価合計約1万円)と現金3500円を盗んだとしている。

 公判前整理手続きで、被告の犯人性に争点が絞られていた。論告などで検察側は、防犯カメラの映像から棚を開閉したのは被告と別の女性の計2人だったとし「動体検知機能に異常はなく、犯人が女性でない以上は被告が犯人」などと主張した。弁護側は防犯カメラの動体検知機能が正常に作動していなかったとし「出入り口の鍵は開いており、誰でも自由に入った可能性はある」などと訴えた。

 判決で今泉裕登裁判長は、防犯カメラについて、人の動きに動体検知機能が作動していない場面が複数あると指摘。被告がカメラを確認した動きもあり「映っているかもしれない中、窃盗を行うことは極めて不自然」とした。

 男性は報道陣に「当たり前の判決。約9カ月拘束され、身も心も疲れたが、ほっとした」と話した。西村恵三子次席は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。

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