生徒は出席せず、オンラインで実施された始業式=佐賀市の佐賀商高

 佐賀県内の約半数の県立学校で1日、始業式が開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全ての生徒が登校せずに自宅と教室をつなぐ形のオンラインで新学期を迎えた学校もあった。「皆さんの姿を直接見ることができず残念」。生徒が一人もいない“無人”の教室では担任や校長が画面越しに声を掛けた。感染防止に最大限の注意を払う中、「学びの保障」に向けた学校のオンライン授業の取り組みが本格化している。

 8月下旬に部活動でクラスター(感染者集団)が発生した佐賀市の佐賀商高。始業式当日の朝、生徒たちの姿はなく、学校はひっそり静まりかえっていた。3日までは全ての生徒を対象に、自宅と教室をつなぐオンライン授業を行う。

 午前9時半、始業式が始まると、生徒のいない教室で担任が一人、パソコンを操作した。牛島徹校長のあいさつの配信が始まり「気を引き締めて感染対策に当たる。ともに頑張りましょう」。生徒たちは自宅でタブレット端末を使い、視聴した。

 2日からは、同様に自宅をつないだオンラインで授業が始まる。生徒たちには端末を通じて、体温などの記録を毎日学校に送信するよう促しているという。

 牛島校長はオンライン授業について「コロナ禍で準備が進んだため、スムーズにできている」と実感を込める。一方で「オンラインはあくまで学びを止めないための一時的な措置。授業の質をどれだけ対面授業に近づけられるかが課題だ」と話した。

 感染拡大に備え、県内の公立学校ではオンライン授業の環境整備が急ピッチで進む。県立中高では既に全ての学校にタブレット端末が配備され、環境は整っている。市町立の小中学校でもタブレット端末の導入が進んでいるが、一部の自治体の学年では端末の配備が来年度以降にずれ込むケースもあるという。

 こうした状況を踏まえ県教育委員会は、新型コロナの感染拡大による緊急時にオンライン授業を実施できるかどうかについて、各市町の教委に尋ねた。実施できると回答したのは5市町にとどまり、残りの15市町は検討中と回答した。自宅でのネット環境がない児童生徒への対応や、端末の持ち帰りを想定していなかったことが理由だった。

 感染の「第5波」では10代での広がりが見られ、学校現場の危機感は強い。県教委は県立学校について、感染者が確認された場合は所属する学級をいったん閉鎖し、オンライン授業に移行する考えを示している。(岩本大志)

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