5日に投開票される多久市長選で佐賀新聞社は、現職の横尾俊彦氏(65)=北多久町、6期=と、新人で農業の弥富博幸氏(67)=福岡市中央区=、元派遣社員の副島満氏(63)=北多久町=に、政策に関するアンケート調査を実施した。公約とともに回答を紹介する。

※回答は上から届け出順

【公約】

横尾 俊彦氏(65)
①コロナ対策②災害対策③新公立病院設備④もうかる農業支援⑤商工業の再興⑥ICT教育⑦笑顔輝く子育て支援⑧「健幸」を育む⑨誰も取り残さないSDGs⑩未来創造実証都市⑪図書館サービス向上と新設備

弥富 博幸氏(67)
①市の組織と資産を見直し、財源を有効活用②企業誘致を進め、就業機会を拡充③農業の活性化、農家の所得向上を支援④コロナ対策と健康増進⑤国や県に働きかけ、多久市と福岡県糸島市を結ぶトンネルの整備を目指す

副島 満氏(63)
①市長給料の半分をカットし、1期目の退職金を返納。女性や民間人も積極的に登用②コロナワクチン情報を迅速に発信し、各家庭にパルスオキシメーターを配布③多久をスマート農業の聖地にし、もうかる農業を推進

 


【設問(1)】

今回の市長選で最も強く訴えたい公約は何ですか。どのように実行しますか。

横尾 俊彦氏(65)
 自然災害にコロナなど問題が壁のように立ちはだかろうとも、負けず恐れず立ち向かってきました。市民とともに未来のために。いつの時も初戦の新人のような緊張感と慎ましさを忘れず、課題解決に挑みます。新たなる時代も、多久市民に寄り添いながら。コロナや災害対策、新公立病院の整備。今だからこそ私に託してください。

弥富 博幸氏(67)
 6期24年間の現市政の総括。特に市財政が危機的状況にある中、タクアや新統合病院、グラウンドゴルフ場の整備など、いわゆる「箱物」へのお金の使い方を見直します。不要不急の箱物は造らず、経済状況や予算の使途を厳格化し、暮らしに直結する政策に重点的に充当します。

副島 満氏(63)
 新型コロナウイルスの感染拡大に市民の方々は不安を抱えています。血中の酸素濃度を測るパルスオキシメーターを各家庭に配布して健康管理を支援します。8月中旬の記録的大雨などを受け、水田に雨水をためる「田んぼダム」による流域治水を促進します。新統合病院整備は市民負担の増大を防ぐため、総工費の抑制に努めます。

 

【設問(2)】

人口減少、高齢化が進んでいます。課題をどのように捉え、市の将来像をどう描きますか。

横尾氏
 高齢化は「長寿化」と捉え、明るい未来を開きます。その人らしく輝く人生をいかに育むか。その支援を向上させます。後期高齢者医療広域連合長を務め、希望と熱意は全世代の活力の源と感じます。それを育む方策を明るく実行したい。多久が慕われる施策で定住・交流増につなげ、緑園に輝くまちづくり、活性化を目指します。

弥富氏
 地域には働く場所が少なく、買い物が不便といった声があります。事業者や産業の活性化を図るとともに、新たな企業誘致に取り組みます。県央という交通アクセスの利点や田園風景を生かし、定年退職後の「スローライフ」や田舎暮らしを望む人に加え、若者を呼び込むための住宅整備も進めます。

副島氏
 現在約1万8千人の人口が20年後には約1万2千人になるという予測があります。「子育てするなら多久市で」をモットーに、新統合病院への産婦人科の創設を強く後押ししていきます。若者の雇用を創出するため、企業誘致に加え、先端技術を使ったスマート農業で労務の軽減や生産基盤の強化を図り、もうかる農業を支援します。

 

【設問(3)】

路線バスの縮小やJRの減便、駅無人化の動きが進んでいます。高齢者など「交通弱者」の対策にどのように取り組みますか。

横尾氏
 公共交通や利便性の確保が重要です。その際、採算性も保てる運行が理想ですが、現実は厳しい面もあります。現行の「ふれあいバス」「ふれあいタクシー」の改善を図ります。交通弱者は全国的課題であり、先進事例やライドシェアなどの新発想による制度改革も含めて取り組み、日々の生活での買い物・通院・通学などを支えます。

弥富氏
 高齢者の買い物支援などを行うボランティア組織の創設を目指します。また、民間の介護施設との連携を図ることなどで移動手段をカバーしていきます。

副島氏
 病院や食品スーパーなどに向かう公共交通サービスは運行されていますが、市民の要望により一層、細やかに応えるため、現行の「ふれあいタクシー」を日曜も運行するなど利便性の向上を図ります。市民の「生活の足」を守るための条件整備に力を入れます。

 

【設問(4)】

小城市との公立病院の統合計画が進められています。医療供給体制の維持、充実をどう図りますか。

横尾氏
 地域医療の確保は住民の暮らしに不可欠です。両市が現在協力して新公立病院整備を進める状況は貴重な進展です。実現には、両市の絆を礎に、関係者の相互理解と協力を高め、英知を集めて、災害にも強い安全安心な施設整備、医療スタッフと財源の確保、地域開業医との連携などが重要です。市長経験を生かして必ず実現します。

弥富氏
 総合病院としての機能の充実と、建設・運営コストとのバランスをどう取るのかが非常に難しい課題です。運営を民間に委託するということも含めてより良い方法を検討していきます。

副島氏
 新統合病院の建設予定地は多久市のハザードマップで浸水想定区域に位置しているため、土地のかさ上げが必要になっています。周辺の道路の冠水や凍結による交通手段の安全確保への心配もあります。市民の要望に寄り添い、産婦人科の設置に全力を尽くすとともに、救急医療体制の強化に努めます。

 

【設問(5)】

コロナ禍が長期化する中、地域の経済、産業の振興にどう取り組みますか。

横尾氏
 コロナ禍で影響を受けた経済・産業の振興のため、商工業や農業の現場ニーズも踏まえた対策を4次にわたり発表し、迅速実行してきました。市民に寄り添い、新しい生活様式やアフターコロナも見据え、もうかる農業振興、商工業再興、企業の業績向上等を支援します。新創造を図る取り組みや人材育成によっても活路を開きます。

弥富氏
 短期間での景気回復の見通しが立たない中、働く場所と時代に合った働き方を地道に見いだしていきます。地域が結集して総合力を発揮できるよう、失業対策に取り組むとともに、必要なインフラの整備や企業誘致を進めて活力の維持、向上を図ります。

副島氏
 コロナ禍の影響はあと数年続くかと思われます。海外からのインバウンド(訪日外国人客)回復が望めない中、多久市には聖廟や棚田など、風光明媚(めいび)な観光資源が豊かにあります。恵まれた環境を生かして商工業の企業誘致に取り組むとともに、他県への流通ネットワークを開拓し、企業の収益アップを図ります。

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