激甚災害の指定による措置概要

 佐賀県内で11日から降り続いた記録的な大雨の被害に関し、棚橋泰文防災担当相は31日の閣議後会見で、激甚災害に指定する見通しになったと発表した。農業分野では地域を限定せず県内全域が対象になる「本激」となり、国庫補助率をかさ上げする。融資による中小企業の再建支援は武雄市、杵島郡大町町に限定する「局激」となる見込み。

 内閣府によると、農地や農道、水路などの農業用施設や林道の災害復旧事業は、通常の国庫補助率をかさ上げする。過去5年間の実績の平均では、農地は補助率を84%から96%にかさ上げしている。

 国庫補助の対象とならない小規模な農地でも、交付税措置などで自治体負担を軽減する。被災した市町や農家の財政負担を軽減し、早期復旧を後押しする。これらの措置は地域を限定しない。

 さらに武雄市、大町町には、中小企業の事業再建のための特例措置を適用する。保証限度額を増額することで、中小企業は民間金融機関から再建資金を借りやすくなる。

 激甚災害は経済的被害を基準に指定する。県市町が被害額を調査し、各省庁が査定。局激の場合、市町の財政規模ごとに基準額が設定され、基準額を超えた時点で指定の見込みが示される。閣議決定による正式指定には、1カ月ほどかかる見通し。

 棚橋氏は「被災した自治体は、財政面に不安なく、迅速な災害復旧に取り組んでいただきたい」と述べた。内閣府によると、公共土木分野での被害状況も査定を続けている。

 早期指定を要望していた佐賀県は「農地などの復旧が本激指定になることはありがたい。適用される措置を活用し、この2年間で再び被災された多くの方の支援に取り組んでいきたい」とした。

 一方、中小企業への特例措置が、武雄市と大町町に限る局激となることについては「具体的にどういった支援ができるのか中身を精査していく」としつつ、「本激でなければ実施されない『なりわい再建補助金』(復旧費の最大4分の3を公費補助)に関し、局激でも実施してほしいと要望していた。今後の国の対応を注視したい」と述べた。(山口貴由、栗林賢)