価格を確認しながら野菜を手に取っていた買い物客=佐賀市の佐賀市のスーパー・アルタ開成店

 8月中旬に佐賀県など九州の広い範囲で降り続いた記録的な大雨の影響で、野菜が高騰している。ハウスや畑が浸水被害などを受けて出荷量が減ったため、キュウリの卸値が大雨前に比べて最大6倍に跳ね上がるなど、需要が広がっている夏野菜を中心に高値が続いている。生産再開の見通しが立っていない産地も多く、関係者は「高値は9月いっぱい続く」とみている。

 佐賀青果市場(佐賀市)によると、17日ごろから夏野菜の価格が急騰した。キュウリがお盆前の5~6倍、トマト、ピーマンが2~3倍、小松菜や水菜は4倍になった。小松菜や水菜は福岡県の久留米産が多く、ハウスが水没した影響が色濃く出た格好だ。

 ナスは例年、1キロ300~400円だが、今年は6~7月が好天続きで成育が良く、200円前後となるなど価格は落ち着いていたという。それが大雨後は1キロ600円台に急騰した。

 「野菜全般で梅雨明け後も安定していて、お盆前までは良かったのに」と市場の担当者は振り返る。

 小売り現場も小分け販売するなど苦心している。佐賀市内でスーパー4店を展開するアルタ・ホープグループでは、1袋3本入りで販売していたキュウリを1本のばら売りにした。仕入れ値が2倍になった小松菜は1袋分を2袋に小分けするなど、手に取りやすい価格で販売している。

 アルタ・ホープグループでは、チラシで宣伝するため2週間前に野菜の販売価格を決めており、短期間で卸値変動があった場合、どんなに急騰してもチラシの価格で売るしかないという。アルタフーズの萩原法昭課長代理は「赤字覚悟でやっている」と説明する。

 単価の安いもやしやカット野菜が多く売れているといい、買い物をしていた30代主婦も「炒めもの用にもやしを多く買った」と話していた。野菜の価格を確かめながら手に取ろうか迷っていた80代女性は「高くても、必要なものは買わんとねぇ」とぼやいていた。

 佐賀青果市場の担当者は、9月上旬までは高値が続き、その後は回復するとみているが「久留米のハウス関係の影響は9月下旬まで続く」と指摘する。「秋口の台風次第でどうなるか」と、高値が続く恐れも口にする。(志波知佳)