晴天になり、屋外で畳の消毒と拭き上げをする災害ボランティア=武雄市北方町

 8月中旬の大雨で浸水被害に遭った武雄市で、平日の復旧作業のボランティアが不足気味だ。28、29日の土日はそれぞれ百数十人だったが、平日は30~40人台にとどまる。部活動の一環で加勢していた高校生は、新型コロナウイルス感染を予防するための活動自粛で参加が見込めなくなった。晴天が続く見通しの30日以降、被災者からの派遣依頼が増えるとみている市災害ボランティアセンターは「都合がつく人は手を貸して」と呼び掛けている。

 センターを運営する市社会福祉協議会によると、21日から29日までの派遣依頼230件に対し、これまでに応じることができたのは184件で、46件は対応できなかった。事前登録のボランティア人数に応じて作業を振り分けているが「平日の参加が限られ、対応できなかった分を翌日以降や土日に積み残す形になっている」と説明する。

 新型コロナの感染予防で、ボランティアは県内在住者に限定している。地元高校生は復旧作業の貴重な担い手だったが、県内の感染状況を踏まえ県教育委員会が26日、県立学校などに部活動の自粛を通知したことを受け、当面は登録を見送らざるを得なくなった。

 2年前の佐賀豪雨の際は県内外から連日300~500人のボランティアが集まり、片付けを手伝った。市議会からは今回、参加が伸び悩むことを懸念し「清掃業者を雇わなければ、復旧が進まないのではないか」という声も出ている。

 天候自体は先週末から回復傾向にあり、遅れていた畳や床板を干す作業は進んでいる。建物の屋内の乾燥が進めば、泥土のかき出しや、床や壁の拭き上げなどの作業が増えてくる。市社協の水町直久事務局長は「復旧はこれからが正念場。ボランティアは午前11時まで当日参加も受け付けるので、時間がある人は手を貸してほしい」と協力を呼び掛けている。(澤登滋)

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