「部活をやりたいけど…」。佐賀県教育委員会が、まん延防止等重点措置期間中の停止を求めた学校の部活動。県内では今月19日以降、佐賀市内の高校3校の部活動内でクラスター(感染者集団)が相次いで確認された。学校側も感染防止対策を徹底するが、校外に出るケースも多い部活動では行き届かず、ルールが守られていないケースもある。「コロナ禍の部活動」の難しさが、改めて浮き彫りになっている。

 「校外のプールが使えなくても、先輩に教わったり、器具を使ったりして筋トレぐらいはしたかった。でも、ワクチン接種もだいぶ先だし仕方がないのかな」。県立高の水泳部に所属する男子生徒(16)は複雑な思いをのぞかせた。

 落合裕二教育長は26日、県の対策本部会議で「感染対策を一層強化して2学期に備えたい」と強調、重点措置期間中の9月12日まで、県立学校の部活動を停止することを表明した。これ以上、部活動に端を発する感染拡大を防ぎたいという思いがにじんでいた。

 クラスターが発生した佐賀商高の運動部。その数日前、通常は感染防止対策のため屋外で準備を行う部員らが、大雨で部室に集まる場面があった。牛島徹校長は「一瞬のうちに感染が広がったのかもしれない」と説明した。同じく部活動内でクラスターが発生した佐賀清和高も、基本的なマスク着用や消毒の徹底など「コロナ対策は、かなり気を配っていた」(土井研一校長)と強調するが、感染経路は分からないという。

 一方で、掲げた対策が守られていない実態もある。ある県立高の部活動では、県教委が県外での大会参加自粛を求めていた期間中も、県外に遠征していた。監督でもある教員が引率し、学校側に事前の届け出もしていなかったという。

 この部活動に所属していた生徒はその後、感染した。ある保護者は「顧問の権限は大きい」と話し、生徒側から声を上げづらいのが実情と明かす。感染と遠征の因果関係は分からないとしながらも「命に関わるかもしれないのに、学校に尋ねても要領を得ない。子どもの今後に響くかもしれないので強くも言えない」と悔しさをにじませた。

 部活動の感染リスクは生徒自身が肌で感じている。佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)のアンケートに回答した10代の70人のうち、半数以上が「当面は一切中止すべき」と回答した。「運動部や一部の文化部はマスクを外して活動する」「着替えなどで、どうしても『密』になる」など、基本的な感染防止対策の限界を訴える。全面的に部活動を認める「校内も対外活動も実施する」を選んだ10代は一人もいなかった。(岩本大志、志垣直哉)

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