妊婦への新型コロナウイルスワクチン優先接種について厚労省が各自治体に「特段の配慮」を求めた23日の事務連絡文(奥)と、ワクチンについての項目を追加して同日改訂された同省の妊婦向けリーフレット

 千葉県で新型コロナウイルスに感染して自宅療養中だった妊婦が早産となり、赤ちゃんが亡くなった事態を受け、県内の妊婦から佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)に不安の声が届いた。政府は25日、佐賀県へのまん延防止等重点措置の適用を決めており、県内の感染の急拡大とともに妊婦やその家族の心配も膨らんでいる。

 「自分も早産になりやすいらしくて…」。妊婦健診のため唐津から佐賀市内まで通っているという30代の女性。千葉県のケースでは、新型コロナに感染して自宅療養中だった妊婦が早産となり、搬送先が見つからず赤ちゃんが死亡した。「佐賀でも自宅療養が始まり、急に不安になった。他人事じゃない」と危機感が強まったという。

 現在、妊娠30週。不安解消のためにも早くワクチンを打ちたいが、唐津市の集団接種で30代はまだ予約ができない。「お産間近に打って、副反応で熱が出ると対応が大変そう。産前はもう打てないかな」とため息をつく。

 小学生と2歳の息子もいて、家族の感染防止にも神経をとがらせる。間もなく小学校は新学期。保育園も休ませたいが、医師から安静を求められている身で世話も大変だ。「子どもを授かることは、本当は喜ばしいことのはずなのに…」と後ろ向きな気持ちばかりが膨らむ。

 佐賀県は、感染した妊婦の入院先について「感染者用の確保病床の中で、妊婦も対応する」と説明する。症状に応じて自宅療養も導入しているが、感染状況が厳しい都市部とは状況が異なっており「(千葉県のケースのような)そうした感染者に対応するために、病床を空けておくことが目的」としている。

 日本産科婦人科学会などは、妊娠中の時期を問わずワクチン接種を勧めている。厚労省は23日、接種の優先順位について、希望する妊婦や夫への「特段の配慮」を各自治体に求めた。愛知県や福岡市、北九州市など妊婦の優先接種を決める自治体も各地で増えつつある。30代女性は「ほかの妊婦さんも不安を抱えていると思う」と話し、優先接種の明確な情報発信など、安心できる環境づくりを求めた。(志垣直哉)

【関連記事】

「こちら さがS編集局(こちさが)」とは?

佐賀新聞と読者が無料通信アプリ「LINE(ライン)」でつながり、書き込みがあった身近な疑問や困りごとを記者が取材する双方向型の報道スタイルです。

以下のボタンから「友だち追加」して情報提供のメッセージやアンケート(随時実施)へのご協力をお願いします。

友だち追加
このエントリーをはてなブックマークに追加