佐賀県(全体)と唐津市の感染者数の推移

 新型コロナウイルス感染の「第5波」が佐賀県内で猛威を振るう中、「まん延防止等重点措置」の対象区域に指定される見通しとなった唐津市では、8月の感染確認が25日現在で600人を超えた。人口規模が約2倍で、過去最悪のペースで感染が広がる佐賀市の感染者数も上回っている。福岡との県境に位置し、連休中の外出や会食などが拍車を掛けたとみられる。

 唐津市の8月の感染者は25日現在で613人、佐賀市の感染者は495人。唐津市では8月上旬から感染者が徐々に増えて2桁台が続き、23日は過去最多の52人となった。10~40代が多いという。全体の8割が合併前の旧郡部を除く旧唐津市に集中し、県はこのエリアを重点措置の対象にする考えを示している。

 県や市の見立てでは、8月上旬の3連休や県外からの帰省を伴うお盆期間に、外出や会食でマスクを取る場面が多くなり、そこから家庭や職場に感染が広がっている。先に深刻な感染状況になっていた福岡との県境にあり、行き来がしやすい地理的要因も流行に拍車を掛けたとみる。

 県内では8月に17カ所でクラスター(感染者集団)が発生し、6カ所が唐津市の関係だった。このうちスナックなど飲食関係が3カ所と半数を占め、従業員だけでなく利用客にも広がっている。また、中旬からは隣接する東松浦郡玄海町の九州電力玄海原発でも関係者の感染が相次いでいる。

 唐津市の状況について、山口祥義知事は24日の対策本部会議で「保健所が接触者を追い続け、相当数の陽性者を捕捉している。市中にまん延している可能性も高かったが、そこまではいっていないかもしれない」と述べ、対策によっては感染を抑えられる可能性に言及した。

 重点措置の対象区域を巡っては、県と唐津市で考えに違いがある。峰達郎市長は25日の定例会見で「市内でも移動があり、あまり旧唐津市で物事を進めたくない。仮に旧唐津市の飲食店で酒類が提供されなくなった場合、他の郡部地域に行こうとなるかもしれない」と述べ、市全域での適用を県に申し入れた。

 人口10万人当たりの感染者数は東京都に匹敵する。「感染者を1日でも早く減らしたい思い。まん延防止等重点措置の効果が出ることを期待している」と強調した。(円田浩二、中村健人、横田千晶)

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