佐賀大や福岡大などの研究者グループは24日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)や有明海との関わりについて沿岸4県の住民を対象に意識調査を9月に実施すると発表した。同事業を巡っては長年裁判が続いているが、賛否は問わず、関心の度合いや影響、裁判への評価などを尋ねる。

 4県の県庁所在地と沿岸2自治体の計12市町が対象で、無作為に抽出した18歳以上の2100人に9月初めにアンケートを郵送する。佐賀市265人、鹿島市と太良町の各130人に届く。「地域の自然環境」「諫早湾干拓事業とその影響」「裁判と紛争処理」などの項目で質問する。

 調査結果は12月に記者会見で公表し、2022年夏に調査結果報告書を作成する。20年に長崎県の諫早市民と雲仙市民を対象にした調査結果と併せてウェブで公開するほか、研究者が論文を執筆する。説明会の開催も検討している。

 日本学術振興会から約4千万円の助成を受け、7大学の研究者12人が取り組んでいる。佐賀大経済学部の樫澤秀木教授(環境法)は「諌早湾干拓紛争は法律学、裁判制度上の問題を含み、それにとどまらず社会科学全般にも大きな問題を提起している。調査を通じて何らかの提言を行いたい」と話している。(宮﨑勝)

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