障害者の「害」にマイナスイメージがあるとして、「障がい者」と表記するケースが増えてきた◆米国には「チャレンジド」という言葉がある。「挑戦する人」「挑戦の機会を与えられた人」という意味。障害をマイナスにとらえるのではなく、その経験を社会のために生かそうという趣旨だ◆病気や事故などで誰しも障害を負う恐れはある。障害者手帳を持つ筆者の感覚では、障害を負うと劣等感に負い目が加わり、自信がなくなる。そんな意識を変える一つが「パラリンピック」だろう◆東京パラリンピックがきのう開幕した。パラリンピックのパラは下半身まひを意味する「パラプレジア」からとっている。五輪に比べると歴史は浅く、1960年にローマで開かれた脊髄損傷者による国際スポーツ大会が第1回大会と位置付けられている。64年の東京大会でパラリンピックという言葉が初めて使われ、脊髄損傷以外の障害者も参加した。やがて「パラレルオリンピック=もう一つのオリンピック」という意味が加わる◆東京パラリンピック日本選手団の河合純一団長はパラリンピックを「可能性の祭典」と表現する。障害は害ではない。見方や意識を変え、社会を住みやすくする力になる。持てる能力で限界に挑むパラリンピックは「挑戦の祭典」とも呼べるだろう。しっかり見届けたい。(義)

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