泥水が流れ込んだ店内。従業員が後片付けに追われた=小城市のスーパーモリナガ牛津店

 記録的な大雨で地域の生活に欠かせないスーパーなど佐賀県内の小売りの現場も浸水被害を受け、16日から本格的な復旧が始まった。2年前の佐賀豪雨と同様の被害に遭った店舗では、関係者が短期間で繰り返される災禍に無念さをにじませた。一方で佐賀豪雨の教訓を生かして、商品を事前に待避させるなどして被害を最小限に食い止めたケースも見られ、明暗が分かれた。

 2年前に続き、浸水被害に遭った小城市のスーパーモリナガ牛津店。店内には泥水が流れ込み、膝下まで浸水したとみられる跡が残っていた。店の外には来店者が次々と訪れ、休業のチラシに「いつまでやろうか」と不安な表情をみせていた。買い物に訪れた近所の70代男性は「ここが一番近かとけ」、60代女性は「2カ月も開かないと困る」とこぼした。

 同社によると、店内全ての冷蔵ケース、レジの一部を入れ替えるほか、ほとんどの商品を廃棄する予定。担当者は「被害額は前回同様数千万に上り、1、2カ月は復旧の見通しがたたない」と嘆息する。

 災害救助法が適用された武雄市や杵島郡大町町では2年前を超える浸水深が確認されている。イオン九州によると、武雄市のザ・ビッグ武雄店は当面、臨時休業を余儀なくされる。

 一方、佐賀玉屋(佐賀市)は目立った被害が無かった。2年前の反省から13日に閉店時間を1時間早め、職員で商品を高い場所に移したり、前回より高く土のうを積むなどの対策をとった。地下倉庫に雨水が入ったが、商品への影響は無く、被害は低い位置に保管していた包装紙や化粧箱を廃棄した程度だったという。

 各地での浸水被害でエアコンの室外機も影響を受けた。家電量販店のエディオン佐賀本店には、15日午後から「水に漬かった」とエアコンの買い換え相談で電話や来店が増えているという。

 物流にも影響が広がっている。ヤマト運輸は16日から通常通り集荷・配達に当たっているが、県内宛ての荷物の配送は遅れが生じている。佐川急便も16日午後2時現在、武雄市北方町で荷受けや配達ができない状況が続き、それ以外の県内地域では遅れが出ている。

 日本郵便によると、16日時点で、武雄市の高橋郵便局や北方郵便局など県内の7局が窓口を休止している。

 県トラック協会によると、武雄市などで事業所や倉庫が浸水した企業があるが、トラックなどは事前に移動させて被害を回避したケースがあったという。(志波知佳、大橋諒)

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