雨の中、浸水被害を受けた家財道具を片付ける人たち=16日午後2時53分、武雄市橘町片白(撮影・米倉義房)

 佐賀県内で降り続いた記録的な大雨の影響で、16日までに武雄市や杵島郡の大町町、白石町などの広範囲で甚大な浸水被害が確認され、2019年8月の佐賀豪雨を上回る恐れが出てきた。山間部では神埼市や嬉野市で大規模な土砂災害が発生。佐賀地方気象台は17日も激しい雨が降るとみており「大雨の最後の山場になる」として、最大限の警戒を呼び掛けている。

 気象台によると、九州南部に低下していた前線は17日朝にかけて、低気圧を伴って対馬海峡付近に北上する。前線や低気圧に暖かく湿った空気が流れ込み、県南部で1時間に70ミリ、県北部で50ミリの非常に激しい雨を予測している。17日午後6時までの24時間では県南部250ミリ、県北部200ミリを見込んでおり「これまでの記録的な大雨で、土砂災害の危険度が非常に高まっている」としている。

 武雄市は16日、床上・床下浸水について、航空写真を基に浸水地域の棟数を約1800棟と説明した。小屋なども含まれている可能性があり、市は「今後詳細に調査していく」としている。19年8月の佐賀豪雨では、床上・床下浸水の被害は家屋1500戸としている。

 県などによると、14日夕に神埼市神埼町志波屋で土石流が発生し、住宅など計5棟が全半壊した。住宅の一部破損は佐賀市2件、鹿島市と藤津郡太良町で1件ずつだった。嬉野市嬉野町下宿の茶畑などでは、長さ約400メートル、幅約60メートルと長さ約270メートル、幅約50メートルの土砂崩落が確認された。

 神埼市の土石流で70代男性が軽傷を負い、階段から転倒した佐賀市の60代女性と、自転車で転倒した佐賀市の60代男性がけがをした。16日午後2時現在、道路の土砂災害53カ所、河川の護岸崩壊82カ所、崖崩れ8カ所を確認した。午後6時現在で、道路の通行規制は30カ所あったが、冠水による規制は全て解消された。床上浸水160件、床下浸水418件で、武雄市分は含まれていない。

 陸上自衛隊久留米駐屯地などは15、16の両日、約600人体制で救助活動などを行った。

 嬉野市では、大規模地滑りの兆候がある嬉野町不動山大舟と、土砂崩れ周辺の複数家屋に亀裂がみられる塩田町大草野南下の両地区で、16日までに計41世帯106人が避難した。今後の調査次第だが、避難は長引く見通し。

 西日本高速道路(NEXCO西日本)は16日午後4時ごろ、長崎自動車動北側ののり面にひび割れを確認したため、佐賀大和インターチェンジ(IC)-東脊振ICの上下線を通行止めにした。解除の見通しは立っていない。JR九州は17日について、佐世保線の博多-佐世保と博多-ハウステンボスの特急と、佐世保線の肥前山口-早岐、唐津線の久保田-唐津、筑肥線の唐津-伊万里の普通列車について始発から運転を見合わせる。(取材班)

【関連記事】
このエントリーをはてなブックマークに追加