14日にかけて断続的に降り続けた大雨から一夜明けた15日、佐賀県内では土砂災害などの被害状況が明らかになってきた。神埼市神埼町志波屋では14日夕に土石流が発生し、住宅3棟が全半壊し、70代の男性1人が軽傷を負った。武雄市など広い範囲で浸水被害が続き、崖崩れの影響で住民に避難を呼び掛けた地域もあった。

大雨で一面が冠水した武雄市北方町=15日午前9時すぎ(小型無人機ドローンで撮影)

 県によると、15日午後3時時点で、杵島郡大町町や嬉野市など6市町で床上浸水98件、大町町など7市町で床下浸水166件が確認された。広範囲で浸水が続く武雄市について、県は「全体を調査中」としており、今後も被害は増える見通し。

 2年前の佐賀豪雨の時と同様に周囲の浸水で孤立していた大町町の順天堂病院は15日夕、周辺の水位が下がったことで孤立状態が解消した。崖崩れや地滑りの影響で、嬉野市は嬉野町不動山地区の一部住民に避難を呼び掛けた。

 陸上自衛隊久留米駐屯地などは15日、約600人体制で救助活動などを実施。武雄市や大町町で救助者の捜索活動を行い、約1千人に対して避難所への移動援助や在宅希望者に向けた食料などの搬送を実施した。

 15日午後2時現在、道路の土砂災害37カ所、河川の護岸崩壊25カ所を確認。冠水による通行規制は38カ所だった。午前11時時点で、県内14市町42カ所に、393世帯804人が避難している。

 佐賀地方気象台によると、九州南部まで前線が下がった影響で15日の県内は雨が小康状態となった。前線は16日朝から再び北上し、17日にかけて停滞するとみている。16日午後6時までの24時間に180ミリ、17日午後6時までの24時間に100~200ミリの雨を見込み、18日までは警報級の雨に注意を呼び掛けている。

 西日本高速道路(NEXCO西日本)は15日午前9時ごろ、佐賀県内の長崎自動車道や西九州自動車道などの通行止めを全面的に解除した。JR九州は16日の運行計画について、各路線の大部分で始発から運転を見合わせる一方、一部区間で特急や普通列車を通常運行するが、気象状況によって運休などに切り替わる可能性があるとしている。松浦鉄道は16日も始発から運転を見合わせる。(小部亮介)

■県内大雨 武雄の表情

大雨でヨシなどのゴミが大量に流れ込んだ。一夜明けて、浸水した住宅から畳や家財道具を運び出した=15日午前、武雄市橘町
大雨で冠水した武雄市北方町。主要幹線の国道34号線も冠水で通行できない状態になった=15日午前9時すぎ

■県内大雨 大町の表情

周辺が冠水し、孤立した順天堂病院から自衛隊のボートで運ばれる同病院の職員ら=15日午後、杵島郡大町町福母
水が流れ込んできて、新品のゴザが散乱する店内。店主の村山直さんは「2年前の大雨で、新しくなった機械もだめになった」と嘆いた=15日午後、杵島郡大町町福母

 

■県内大雨 唐津の表情

土砂が崩れて道をふさぎ通行止めになつている国道204号。被害状況を把握する作業員=8月15日午前9時40分ごろ、唐津市湊町
川沿いの道路が崩れて通行止めになっている市道=8月15日午前10時45分ごろ、唐津市大良

■県内大雨 鳥栖・三養基の表情

裏山が崩れ、土砂が流れ込んだ民家=15日午前11時ごろ、三養基郡みやき町原古賀
 
大雨の影響で、JR鹿児島線のガードのすぐ下まで水がたまった県道中原鳥栖線=15日午後1時ごろ、鳥栖市下野町
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