臨時会見を開いた山口祥義知事=12日午後、佐賀県庁

佐賀県内の感染状況内訳(8月12日発表分)

佐賀県内の感染状況内訳(8月12日発表分)

 佐賀県は12日、新たに89人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者数としては5月8日の75人を更新し過去最多となった。県民に向け、お盆期間の15日まで外出自粛を要請した。一方、県内全域で大雨への警戒が必要な状況が続くことから、コロナ禍でもためらうことなく災害避難を優先するよう呼び掛けた。

 県によると、新たに感染を確認した89人のうち、唐津市が42人、東松浦郡玄海町が2人と唐津・玄海地区でほぼ半数を占めた。特に福岡とのアクセスがいい浜玉町の住民に警戒するよう訴えた。年代別では20代以下が44人とほぼ半数で、若い世代の家族の中で感染が広がっているという。これまでに感染が判明した人と関連がない新規の感染者は47人に上った。

 山口祥義知事は12日夕、臨時の記者会見を開き、過去最多となった感染者の急増と、15日にかけて警戒が必要な大雨に関し、県内が「ダブルの危機」を迎えているとの認識を示した。

 11日から降り続いている大雨は前線が北上と南下を繰り返すことが予想され、「いったん降りやんでも、また降り出す。15日にかけては県内の広い範囲で大雨警報の可能性が高く、ほっとした瞬間に土砂災害が起こる。お盆期間は最大限の警戒が必要だ」とした。

 その上で、コロナ禍であっても「まず切迫した大雨災害による命の危機と向き合わなければならない」と強調し、危険が迫る前に状況に応じて早めに避難場所や知人宅、ホテルなどに行くか、自宅2階に垂直避難するよう呼び掛けた。

 コロナ対応では、昨年5月の大型連休明けにかけて緊急事態宣言が全国に拡大された時以来となる県民への外出自粛を要請した。加えて、お盆で久しぶりに会う友人や親戚との会食、会合を避けるよう緊急メッセージを発した。

 メッセージは午後7時ごろ、県内全域のスマートフォンや携帯電話に警報音とともに送信した。県が「緊急速報メール」のシステムを活用したのは初めて。

 12日現在の病床使用率が前日から4・5ポイント増の34・5%になったことを受け、山口知事は政府の感染状況の区分で2番目に深刻なステージ3(感染急増)に迫っているとの認識を示した。「最悪のシナリオとして1日の感染者数が3桁になることを想定して対策を考えていかなければならない」と述べた。軽症・無症状者の療養ホテルと、中等症以上が入院する病院との間でいったん患者を受け入れ、自宅療養を防ぐ仕組みを検討しているとした。

 飲食店への営業時間短縮要請について、山口知事は「飲食店だけでなく、あらゆる場面、形で感染が広がっている」と、実効性に懐疑的な見方を示しつつ、今後、数日間の感染状況を注視した上で対策の在り方を再構築するとした。(栗林賢、円田浩二)

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