可視光下や暗所などどこでも新型コロナウイルスを不活化するコーティング剤

 塗布する場所や物を問わずに新型コロナウイルスを不活化させるコーティング剤を、佐賀大肥前セラミック研究センター(西松浦郡有田町)の一ノ瀬弘道特任教授らのグループが開発した。従来のペルオキソチタンを含む酸化チタンのコーティング剤に微量の銅酸化物を加えることで、可視光下や暗所でもウイルスが不活化することを確認。県内の企業が製品化した。

 ペルオキソチタンを含む酸化チタンのコーティング剤は、25年前に一ノ瀬特任教授が発明。高い透明性や密着性があるため、さまざまな場所に塗布でき、光触媒による持続的な防汚や抗菌抗ウイルスなど環境浄化に広く使われてきた。ただ、光触媒は一般的に紫外線で作用するため、室内などの可視光下や暗所では環境浄化が難しいのが課題だった。

 その後の研究で、コーティング剤を塗布物に密着させるペルオキソチタンに、白色LEDの可視光下でも抗ウイルス性があることを突き止めた。また、昨年秋に別の研究グループが、光触媒と酸化銅を組み合わせた場合に、暗所でも持続的に新型コロナウイルスを不活化させると発表した。

 このことから、ペルオキソチタンを含む酸化チタンのコーティング剤に、微量の銅酸化物を複合。紫外線、可視光、暗所とどこでも抗ウイルス性を発揮する塗布剤を開発した。試験機関で、新型コロナや代用ウイルスの不活化も確認。共同開発先の日本ナノテック(有田町)、ティオシステムズ(佐賀市)で製品化されている。

 一ノ瀬教授は「室内でも抗ウイルス性を持続的に発揮し、浮遊するウイルスも不活化するため、室内での感染が問題になっている新型コロナにも効果的な塗布剤」と話している。(古賀真理子)

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