フル規格で整備する場合、並行在来線の維持で「JR九州を説得したい」と述べた赤羽国交相=東京・霞が関の国交省

 整備方式の検討が続いている九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉に関し、赤羽一嘉国土交通相は30日の閣議後会見で、フル規格で整備する場合、並行在来線を維持するため「JR九州を説得したい」と述べた。佐賀県の財政負担に関しては「特殊性に配慮して知恵を出せないか」と言及し、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入断念の経緯などを踏まえた対応を示唆した。

 並行在来線に関し「通勤通学の足でもあるので、新幹線が通るから並行在来線を廃止するということは、なかなか佐賀県は承知できないだろう」と話し、「国交省としても在来線を残すことで極力、JR九州を説得したい」と強調した。

 佐賀県の負担軽減については「決定的に私がこうするという話ではない」と前置きした上で「FGT導入を国が約束をしていながら履行できなかった歴史的な事実がある」と指摘した。

 佐賀県の地理的状況にも触れ「非常に小さな県で、(新幹線が)通過することで、地元にはメリットの割に負担が多いという意向もあるのではないか」と述べた。その上で「特殊性を配慮して何か知恵が出せないか。県と鉄道局の議論を進めてもらいたい」とした。

 並行在来線を巡っては与党検討委員会が6月に「JR九州が運行を維持することが不可欠」とする対応方針を確認した。JR九州の青柳俊彦社長はその後の会見で「われわれが同意しているわけではない」とけん制していた。(山口貴由)

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