事前キャンプで訪れた選手への応援メッセージを横断幕に書き込む人たち=佐賀市の国際交流プラザ

 コロナ禍の中で熱戦が続く東京五輪。佐賀県在住のALT(外国語指導助手)らの間からは、市民レベルの国際交流が見送られた落胆とともに、感染拡大への不安の声が相次ぐ。その一方で、日本人の規律性や、高い技術力への信頼から「これは歴史に残る五輪。『日本だからできた』と評価されるようになってほしい」と期待を寄せる。

 県内はセルビア、ニュージーランド、フィンランド、タイ、オランダのホストタウンとして交流事業の準備を進めてきたが、事前キャンプ受け入れは3カ国にとどまり、感染対策で県民と直接触れ合う交流はほとんどできなくなった。

 陸上チームが来佐したニュージーランド。武雄市でALT(外国語指導助手)として活動しているピーガン・ブリッチズさん(23)は「ニュージーランドと佐賀はどちらも自然豊かで、人がやさしい。選手たちには、佐賀の人の優しさを感じてほしい」と語る。選手との交流ができず、「みんなで一緒に楽しめる五輪のはずが、とても残念」。テレビ観戦は米国、カナダ人のALT仲間とともに声援を送る予定だ。

 タイの五輪代表(アーチェリー、ボート)は、来佐が見送られた。県内在住のタイ人らでつくる国際団体「サワディー佐賀」の副代表で、来日6年目の春園カノックワンさん(39)=基山町=は「今回は会えないが、SNSでつながっているので、応援メッセージを送りたい」と語る。閉会後、オンラインで選手との交流を計画している。

 五輪の開催については「コロナ前はどこに行っても外国人の姿があったのに、今はまったく見えなくなってしまった」と、国際交流再開へ期待を寄せる。ただ、東京の選手村でもコロナ感染者が見つかり、「きちんとワクチンを接種して来日しているのだろうか」と首をかしげる。

 中国から来日して10年目の陳孝仁さん(35)=佐賀市=も日本のコロナ対策に不安を抱く。「友人が中国に戻った時は、完全に隔離された。日本はあまりに緩い。日本人は相手を信頼して任せるが、その感覚は通用しない」と不安視する。

 一方で「これは歴史に残る大会になる。日本はテクノロジーの国であり、コロナ禍で五輪を開くのは、日本にしかできないことだと思う」と成功を願う。(古賀史生)

 
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