大学の卒業を前に初めて外国を旅した初日、仲間と街を歩きながら「マクドナルド」の看板を見つけた。関西ではマクド、それ以外はマックと略す人が多いようだ。「マクドあるやん、何か食べよう」。何しろ貧乏旅行。料金の想像がつく方が安心と、みんなでぱくついた◆今や世界中にあるといえそうなマクドナルドは、味と料金がどの店舗も大きく変わらない安心感と、注文から提供までのスピード感が特徴の一つ。このシステムを世界に広げた手腕はすごい。日本進出は1971年7月。今月で50年になる◆対照的な日本食の一つが「ウナギのかば焼き」。グルメ漫画「美味(おい)しんぼ」にウナギの話が出てくる。伝統の店をチェーン店に切り替えようとする後継者に料理人が反発。特に我慢ならなかったのが炭火をガスに変えることだった◆「串打ち三年、裂き八年、焼き一生」といわれるウナギのかば焼き。少し手を抜いただけで普通の焼き魚になってしまうため、どんなに急いでも時間はかかる。ファストフードとスローフード。どちらも魅力的だが、きょう28日は土用の丑(うし)の日。日本人としては多少値段が高くても、伝統の味を守るスローフードを大切にしたい◆テレビで五輪観戦が続く毎日。今夜はウナギを食べたいなあ。そこにビールと日本の勝利が伴えば何よりの夏ばて防止になる。(義)

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