唐津市が講話で使っていた資料。原爆が投下された後の広島の写真にバツ印が付けられている

 昨年11月に唐津市で開かれた佐賀県原子力防災訓練で、市が原発との違いを説明する目的で、原爆が投下された広島市内などの写真に赤色のバツ印を付けた資料を使用していたことが26日、分かった。

 広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(76)は「原発も原爆も核利用の問題で共通している。命と平和に関わる問題として捉えてほしい」と話した。

 資料には「原子力発電所はこわい!?」との記述があり、その下に、白黒写真4枚を組み合わせて掲載。広島平和記念資料館(広島市)によると、うち3枚は広島市内のもので、1枚は原爆投下直後の写真。ほかは、大勢の人が横たわる広島駅構内や原爆ドーム周辺の様子を撮影している。

 防災訓練は九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)での重大事故を想定し、昨年11月7日に開かれた。

 市によると、資料はこの訓練の際、小川島の小中学校での講話で初めて使った。生徒や教員、保護者約40人が参加し、市職員が資料をスクリーンに映し出して説明した。訓練以外でも今年4月にかけて、東唐津小の児童と加唐小中学校の教職員向けに使った。

 市危機管理防災課は「原発事故と原爆の違いを明確にしようと考えた。被爆者への配慮を欠き、写真を不適切に使ってしまった」と話し、資料を見直す方針。

 佐久間氏は市の対応について「原発は絶対安全という誤解を招きかねない」と問題視した。

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