初優勝を果たし、表彰を受ける選手を見つめる東明館の豊福弘太監督(左)と古賀洋部長=佐賀市のさがみどりの森球場

 「夏の1勝」が目標だった私立の進学校を、甲子園の舞台へと導いた。夏の全国高校野球佐賀大会で初優勝した東明館の豊福弘太監督(33)は、2014年から指導に携わり、8年目にして悲願を達成。「本当に子どもたちは成長した」と、歓喜する選手たちを温かいまなざしで見つめた。

 豊福監督は鳥栖高時代に主将を務め、日体大に進学。けがに苦しむ時期もあったが、4年時には首都大学リーグのベストナインに選出されるなど、中心選手として豊富な経験を積んだ。

 東明館は1988年の開校以来、部員集めに苦労してきた。創部から31年間監督を務めた古賀洋部長(60)は、「素人ばかり。練習試合では30点差で負けたこともあった。一つ勝つことが本当にうれしかった」と振り返る。

 野球部が学校の強化指定を受けた15年に転機が訪れた。部長だった豊福監督が実績と経験を生かし古賀監督を支え、19年夏には県大会で4強入り。同年秋に監督に就任すると、チームは昨秋と今春、九州大会に名を連ねるまでに成長した。

 迎えた今夏。初采配ながら、37校の頂点に登り詰めた。豊福監督は「古賀先生が選手をやる気にさせ、弱い時から火をつないでくれたおかげ」と感謝を口にする。

 さらに、高校時代の恩師・平野國隆氏(13年死去、享年66)が胸に刻んでいた「(人や経験との)出会いに感謝」という言葉を改めて噛みしめる。「甲子園に連れて行ってもらえてありがたい」。頼もしさを増したナインとともに、高校時代は届かなかった聖地に足を踏み入れる。(草野杏実)

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