佐賀県中小企業再生支援協議会が2020年度に実施した再生計画(経営改善計画)の策定完了件数は、前年度比8件(42・1%)増の27件だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例リスケジュール(リスケ)が大半を占めており、緊急的な資金繰り支援の意味合いが強い結果となった。

 支援の内訳は、既存の借り入れを最大1年間返済猶予する「新型コロナ特例リスケ」が26件に上り、3年程度の暫定計画を策定して既存借入金の元本返済猶予が受けられる「新型」は1件だった。

 業種別では卸・小売が9件と最多で、製造が7件、サービス5件、建設、運輸、その他が2件ずつだった。売上高別では、「1億円以下」が10件、「1億円超~5億円以下」が14件、「10億円超」が3件だった。

 従業員別では「1~10人」が9件、「11~20人」が5件、「21~100人」が10件、「100人超」は3件だった。合計899人の雇用維持につながったという。

 従来は事業改善の見通しがなければ支援できなかったが、新型コロナの特例リスケでは、主要債権者である金融機関の支援態勢を確認した後に、特例リスケを各金融機関に要請することができるようになった。

 同協議会の藤田正俊統括責任者は「さまざまな業種に新型コロナの影響が出る中、とにかく資金繰りを支えて突発的な倒産が出ないようにしようと特例リスケを用いながら対応してきた」と説明する。

 今後は「特例リスケの出口に向かって、通常の再生支援計画に切り替えて安定的な経営ができるように支えていく必要がある」(藤田氏)。ただ、コロナ禍が長期化の様相を呈しているだけに「どうしても厳しい所は再度の特例リスケがあと1年できると決まったので、それを適用するということもあり得る」と話す。(大橋諒)

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