除幕式で披露される佐代姫塚の由来碑=伊万里市山代町の佐代姫神社

伊万里松浦病院の跡地から移設した佐代姫塚

 伊万里市山代町立岩地区の住民が、地元に残る「さよ姫伝説」を生かした町おこしに取り組んでいる。神社や川などゆかりの地を巡るウオーキングコースを考案、佐代姫塚の由来碑も作り、過疎に悩む地域の観光資源にしようとPRしている。

 伝説は日本三大悲恋物語の一つとされ、6世紀、唐津から朝鮮半島へ出征する夫を見送ったさよ姫が、悲しみのあまり最後は石になった-というのは広く知られている。それに似た物語が各地に残り、伊万里市の佐代姫は夫を追い掛け出帆したものの嵐で難破し、立岩地区の海岸に流れ着いたとされる。

 佐代姫を葬った塚が伊万里松浦病院の中庭にあったが、昨年11月の病院移転に伴い、隣接する佐代姫神社の境内に移設された。これを機に、住民有志で佐代姫保存会をつくり、町おこしに生かす取り組みを始めた。

 佐代姫塚の隣には、由来などを記した石碑を設置し、19日に除幕式があった。また、佐代姫神社や佐代川などを巡るウオーキング(フットパス)コースを考え、地図で紹介する看板とリーフレットを製作。総費用は76万円で、県と市の「さが未来アシスト事業費補助金」を活用した。

 かつて炭鉱や造船で栄えた立岩地区も今は過疎化が進み、伊万里松浦病院に続いてスーパーや金融機関も撤退する予定という。保存会代表の松永久美子さん(66)は「長く人々を魅了してきた物語の力を借り、少しでもにぎわいを取り戻したい。伝説については地元の人も知らない人が増えているので、末永く残すためにも頑張りたい」と話した。(青木宏文)

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