半導体不足の自動車販売への影響

 世界的な半導体不足で新車の納期に遅れが出ている。部品調達が滞り、自動車メーカーの減産が続いているためだ。人気の新型車では注文から納車まで1年かかる例もあり、新型コロナウイルス禍からの回復を目指す自動車販売に逆風となっている。新車が手に入りづらくなったことで、中古車の取引価格は上昇している。

 トヨタ自動車で最も売れている小型車「ヤリス」のハイブリッド車(HV)では、注文から工場出荷まで6カ月程度(7月9日時点)かかる。東京都内のホンダの販売店では、4月に発売した新型スポーツタイプ多目的車(SUV)「ヴェゼル」が6カ月~1年の納車待ちだ。ミニバン「ステップワゴン」は4カ月以上で、通常の4倍の長さになっている。

 中古車オークション運営大手ユー・エス・エス(USS、愛知県東海市)によると、中古車の6月の平均落札価格は前年同月比18・8%上昇し、85万9千円と高水準になった。需給が逼迫(ひっぱく)しており、前年実績を上回るのは13カ月連続となる。

 中古車は早く納車できる利点がある。現在保有している車の車検が切れてしまう顧客は、新車の購入を諦めて中古車に流れているとみられる。海外からの引き合いも強く、中古車情報メディア「カーセンサー」の西村泰宏編集長は「日本の車は丁寧に乗られており、人気が高い」と話す。

 自動車メーカー各社は半導体確保に奔走し、売れ筋の車種を優先して生産するなど打撃を最小限に抑えようとしている。

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