日本―デンマーク 前半、パスを出すGK岩下=国立代々木競技場

 33年ぶりに五輪のコートに立ったハンドボール男子日本代表“彗星(すいせい)JAPAN”。歴史的な初戦となった24日のデンマーク戦に、トヨタ紡織九州レッドトルネード(神埼市)のGK岩下祐太選手(30)が出場し、ゴール前で奮闘した。試合は敗れたが、「強豪相手に手応えはつかめた。反省を生かしたい」。次戦に向けて気持ちを切り替えた。

 シュート阻止率で国内トップクラスの“守護神”は、初陣に浮き足立つことなく、俊敏な動きで好セーブを見せた。だが、相手は前回のリオデジャネイロ五輪の王者。日本の守備陣は、屈強なアタッカーを止められず、ノーマークでシュートを許すなどして点差を広げられた。「立ち上がりで動きが硬く、流れをつかめなかった」と悔やむ。

 熊本県苓北町出身。小学生から競技を始め、強豪・千原台高(熊本市)で世代別代表に選ばれるなど早くから頭角を現した。早稲田大で25年ぶりのインカレ優勝を飾るなど輝かしい戦績を携えて2014年にレッドトルネードに加入。16~17年シーズンは、日本リーグ16試合で浴びた476本のシュートのうち184本を防ぎ、リーグトップの阻止率38・7%を記録。19年から日本代表で定位置をつかみ、今年1月の世界選手権では安定したプレーで日本男子24年ぶりの1次リーグ突破に大きく貢献した。

 183センチ、85キロと恵まれた体格だが、身長190センチ超えが多い欧州のGKに比べれば小柄なほうだ。守るゴールマウスは高さ2メートル、幅3メートル。至近距離からシュートを受け止めるGKは、上背や身幅がある方が断然有利だ。「自分は高さがない分、反応する瞬発力と、コースを読む力が強みになる」と力を込める。

 世界レベルの選手たちが放つシュートは時速100キロ超。2メートルの距離で打たれれば、どれだけ反射神経に優れていてもボールに追いつけない。だからこそ、対戦相手の映像を何度も見返し、シュートを打つ際の癖を頭にたたき込んだ。癖から一瞬でコースを読み切り、事前に予測してブロックするスタイルを磨いてきた。

 「五輪では35%以上のシュート阻止率が自分の使命と考えている」と岩下選手。「苦しい時に、ビックセーブが出れば試合の流れが一気に変わる。そんな存在になりたい」。8強入りを目指すチームを一番後方から支える。

 次戦は26日。午後9時半からスウェーデンに立ち向かう。(東京五輪担当・山口源貴)

 

 
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