出発係を務める仁部智之教諭=西松浦郡有田町の有田工高

跳躍競技の審判副主任を務める田中修司教諭=多久市の多久高

競技者係として、選手招集などを担う長谷部達彦教諭=鳥栖市の鳥栖商高

 東京五輪・パラリンピックの陸上競技の大会運営に、佐賀県内の高校陸上指導者3人が審判として携わる。「世界最速」を決める100メートルをはじめ、花形競技として注目度の高い大舞台を支える3人は「選手が気持ち良くスタートラインに向かえるよう役割を果たす」。無観客で行われる五輪の感動を目に焼き付け、地元開催の全国スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の機運醸成につなげようと意気込む。

 審判を務めるのは、多久高の田中修司教諭(54)=佐賀市、鳥栖商高の長谷部達彦教諭(50)=鳥栖市、有田工高の仁部智之教諭(46)=伊万里市。いずれも「国内技術役員」(NTO)の資格を持ち、田中教諭は跳躍競技の審判副主任、長谷部教諭は選手の招集などを行う競技者係、仁部教諭はトラック競技の出発係と周回記録員を担当。本番を見据え、国立競技場で行われた五輪のテスト大会(5月)などにも参加した。

 田中教諭はこれまでに佐賀県で開かれた全国高校総体「青春・佐賀総体」(2007年)の跳躍競技審判長をはじめ、世界陸上選手権(同)の用器具係などを経験。08年から佐賀陸上競技協会の審判委員長を務める。田中教諭は「コロナがなければ、多くの子どもたちが世界最高峰の戦いを目にすることができたのに…」。五輪の無観客開催を残念がりながら「使命感を持って臨み、スムーズな運営に力を尽くす。一生に一度の経験を、佐賀県で開かれる国民スポーツ大会(24年)に生かしたい」と語る。

 長谷部教諭の任務は、選手のナンバーカード確認や、スタート地点への誘導、選手の助力となり得るスマートフォンといった持ち込み禁止品の点検など、多岐にわたる。長谷部教諭は「試合を一切見ることはできないんですよ」と笑いながら、「アスリートファーストの視点で、ルール厳守のため、言葉の掛け方などにも気を配りながら気持ち良く競技ができるよう役割を果たしたい。県内でも審判の仕事に興味を持つ若い人が増えれば」と意気込む。

 出発係の仁部教諭は、スタートの構えが正しいかを点検したり、リレーの第1走者にバトンを走者に渡したりと、選手と接する機会が多い。19年の世界リレー大会や五輪テスト大会などへの参加を通じて感じたのは、選手たちが醸す緊張感と躍動する姿。「極限まで鍛え上げた体つきや、スターティングブロックを蹴るすさまじい音など、最前線で見聞きした感動を伝えたい」と話す。(古川公弥)

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