虹の松原の事故の賠償責任について、定例会見で所感を述べた峰達郎唐津市長=市役所

 唐津市の虹の松原の県道で2年前にマツが倒れ、車に乗っていた小学5年の川﨑辿皇(てんこう)君が亡くなった事故で、倒れたマツの伐採申請を市教育委員会が不許可としていたことを巡り、峰達郎市長は21日の定例会見で遺族への賠償責任への認識を問われ「(不許可は)新しい事実」と受け止めつつ「今は考え方を申す段階ではない」と述べるにとどめた。

 市教委は報道機関による伐採申請書などの開示請求で、事故のマツ伐採を不許可としていたことを今年6月24日に把握したと説明した。峰市長は賠償責任について「裁判に関わること、法的なことなので回答できない」とした。

 遺族は2020年8月、賠償する考えや県道の安全対策などをただす文書を市に送っており、市は「遺族への損害賠償責任を負うものではなく、賠償する予定はない」と回答していた。

 市教委は文化財保護法に基づき、県からのマツの伐採申請に許可を出している。市は佐賀森林管理署、県唐津土木事務所と2011年に危険なマツの認識について覚書を結んでおり、明文化はしていないものの、マツが道路上を4メートル以内で横切るケースなど伐採の基準を申し合わせていた。

 伐採許可の体制について会見で問われた峰市長は「今後は三者の覚書を踏まえた上で、科学的知見によって危険木と判断されたなら市教委がしっかりと判断する。その段取りについては昔と同じ状況でなく、できる限りマツの調査を進めていきたい」と話した。

 事故のマツを巡っては13年、県の伐採申請を市教委が不許可とした。12年の別のマツ19本の伐採完了報告書を引き合いに「その時から時間が経過していない」との理由で認めなかった。(横田千晶)

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