GPS機器を女性の自動車に取り付けて位置情報を把握したとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた被告の差し戻し審で検察側が請求した訴因変更について、被告を弁護する富永洋一弁護士は21日、法令で明確に決まったことしか処罰できない近代刑法の大原則「罪刑法定主義」に違反すると主張した。

 検察側は2017年5月26日付の起訴状で、犯行期間を「16年4月23日から17年2月23日」としていた。21年5月17日付の訴因変更では、これを16年4月から6月までの三つの期間に変更。さらに「GPSを密かにとりつけるなどしてみだりにうろつき」という表現などを加えた。

 ストーカー規制法はこの期間の後の16年12月に改正されている。このため富永弁護士は「『みだりにうろつく』行為は改正によって初めて規制対象として構成要件になった」と指摘。改正法が施行される前の行為をさかのぼって加えて処罰することは「事後法の禁止(憲法39条)に違反する」などと問題視した。

 指摘を受けた佐賀地検の西村恵三子次席は「現時点では特にコメントすることはない」としている。

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