玄海地域原子力防災協議会のオンラインでの会議に臨んだ坂本洋介副知事=佐賀県庁

 国や佐賀県などでつくる「玄海地域原子力防災協議会」が20日、オンライン形式で開かれた。新型コロナウイルスなどの感染症対策に向け、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)で事故が発生した場合の緊急時対応を改定し、感染症の流行下でも住民に「ちゅうちょなく避難」するよう求めることを盛り込んだ。

 玄海原発周辺の避難計画をまとめた「玄海地域の緊急時対応」では、原子力災害の防護措置と感染防止対策を「可能な限り両立」と明記した。一方、災害時は「差し迫った危機から命を守ることが最優先」とし、避難に猶予がなく生命に危機が迫る場合は「感染症の流行下でもちゅうちょなく避難を行う」と記載した。

 新型コロナへの対応では感染防止のため換気が求められるが、原子力災害時は放射線から身を守るため、窓を閉め切る必要がある。改定では新型コロナの対応を踏まえつつ、感染症の流行下でも、自宅などで屋内退避をする場合は換気をせず、放射線防護を優先すると明記した。指定避難場所での屋内退避やバスでの避難に関しては、密集を避けることなどを記載した。

 会議は国や佐賀県のほか、長崎県や福岡県などが参加し、冒頭以外は非公開で実施された。出席した佐賀県の坂本洋介副知事は終了後、「現場が(原子力災害対策と感染症対策を)両立することに縛られると、避難ができなくなる恐れがある。猶予がなければ、感染症下でも避難してもいいというメッセージを与えることができたと思う」と記者団に話した。

 玄海地域の緊急時対応は2016年11月に定められた。必要に応じて協議会を開いている。(岩本大志)

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