日本刀研ぎ師の今川〓靖さん

 今川泰靖(ひろやす)さん(79)=小城市小城町=は4歳の時、南京から父の故郷鹿島に引き揚げた。父が亡くなり、母が働いて子ども3人を育てた。

 母に苦労を掛けたくないと、高校卒業後、東京で地質調査の仕事をしたが、2年後に出直す決意を固め帰省。知人からさびた刀をもらい「これをどうしようか」と研ぎ師を訪ね、通い弟子になった。その後、技を磨きながら頼まれ仕事をしていた。評判を聞いて仕事は増え続け、いつの間にか研ぎ師になっていた。

 戦後、GHQが没収した日本刀(軍刀、家宝、美術刀)は数百万本に及び、心ある人たちが粘り強い交渉の末、7千本の刀が返還され、日本初の財団法人日本美術刀剣保存協会を設立、上野博物館に保管した。後に佐賀県は肥前刀113本を譲り受け県立博物館に保管、現在300本余りを今川さんが管理している。

 築70年を超える自宅の2階が仕事場。四方から光が差し、刀の表情が見える。

 (地域リポーター・半田幸子=小城市)

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