佐賀藩士がつくった鹿児島の絵図を紹介し講演する武雄市図書館・歴史資料館の川副義敦専門官=17日、鹿児島市の黎明館

 幕末の薩摩藩、佐賀藩の関わりと両藩の先見性を探る歴史シンポジウムが17日、鹿児島市の黎明(れいめい)館であった。武雄市図書館・歴史資料館の川副義敦専門官と東洋大学の岩下哲典教授=歴史学=の基調講演に、約230人が聞き入った。

 川副専門官は、佐賀藩主鍋島直正と薩摩藩主島津斉彬が、情報や技術の交流を重ねていた過程を説明。佐賀藩士が鹿児島を訪れた際に作成した集成館工場群や桜島の造船所の見取り図、高炉の設計図などを紹介し「互いの発展のため、斉彬が情報公開に積極的だったことがうかがえる」と読み解いた。

 岩下教授は、出島のある長崎を舞台にした薩摩と佐賀の政治、貿易面の動きを解説。「鎖国下の日本で、共に近代化に貢献した」と述べた。

 鹿児島市の事務職員、今村薫さん(57)は「両藩のつながりを具体的に学び、現在の連携への流れを感じた。地元の魅力を再確認し、佐賀にも行ってみたくなった」と話した。

 2023年の鹿児島国体と24年の佐賀国民スポーツ大会(国スポ)に向けた「鹿児島・佐賀エールプロジェクト」の一環。鹿児島と佐賀の研究者6人によるパネルディスカッションもあり、駆けつけた佐賀県の山口祥義知事が塩田康一鹿児島県知事と並んで耳を傾けた。(南日本新聞社提供)

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