新型コロナウイルス対策で、酒類提供停止要請に関する政府の対応などについて定例会見で見解を示した山口祥義知事=佐賀県庁

 佐賀県の山口祥義知事は16日の定例会見で、新型コロナウイルス対策の酒類提供停止要請に関する措置を相次いで撤回した政府の一連の対応に関し、「官僚が誰も異議を唱えなかったことに背筋が寒くなる」と述べた。菅政権の意思決定について「政治主導ならばどこかで政治家が疑問を呈すべき。国の姿に危機感を覚える」と批判した。

 西村康稔経済再生担当相は酒類提供停止に応じない飲食店に対し、金融機関を通じて働き掛けるとした措置に続き、酒類販売業者への取引停止要請を相次いで撤回した。山口知事は「あり得ないこと。みんなで力を合わせなければならないコロナ対応で逆効果だと思っていた」とした。

 山口知事は「(施策の不適切さに加え)もっと心配なのは国の意思決定過程だ」と指摘。「西村氏が(個人的に)しゃべったことであれば、そう思う人もいるという話で済むが、政府全体として整理されていた」とし、官僚組織や政治家が止められなかったことを疑問視した。「現場の声が届いているのか心配になる。いろいろな意見を受け止める形になっているのか、国の姿に危機感を覚える。意思決定過程の審議や協議を大切にしてほしい」と述べた。

 会見終了後、山口知事は「撤回された施策には違和感を感じるが、西村氏(一人)に責任が覆いかぶさっているのは気の毒かなと思う。政府全体で決めたことなので。なぜ止まらなかったのかが不安だ」と話した。(栗林賢)

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