政府が原発の運転に関する「原則40年間、最長60年間」の法定期間の延長を検討していることが15日分かった。自民党や経済界の一部が求める新増設やリプレース(建て替え)は、世論の強い反発が予想されるため見送り、既存原発の長期的な活用を模索する。来年にも原子炉等規制法改正案をまとめる方向で調整する。ただ老朽化により安全性への懸念が強まることは避けられない。地元住民や自治体の反発も予想される。

 今後の議論では、60年を超える運転を認める際の点検、審査方法も併せて検討する。最長で80年間の運転を認める米国など海外の事例も参考にする。

 原発運転の法定期間は、東京電力福島第1原発事故後に導入された。今年6月には、運転開始から44年を超える関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)が現行ルール下で初めて再稼働しており、原則とされた「40年間」は既に「骨抜き規制」との指摘もある。

 政府関係者によると、法改正では「原則40年間」の運転期間を長期化したり、その後の審査を経て認められる「最長20年間」の延長を複数回可能にしたりする案がある。

 自民党内にも、原発事故後の長期停止を40年間の運転期間から除くなどして、運転延長を求める意見がある。

 国内の原発は既存の33基に加えて3基が建設中だが、2040年代に「最長60年」の寿命を相次いで迎える。現行ルールでは50年に残る原発は20基程度の見通し。

 政府は温室効果ガス排出減をにらんだ30年度の電源構成を含む「エネルギー基本計画」の改定議論を進めており、原発比率は20~22%程度を検討している。この発電量を賄うには30基程度が必要とされる。

 経済産業省が今月21日の有識者会議に示す基本計画の改定案では、原発の新増設やリプレースの推進は明記せず、再稼働などを通じた持続的な活用方針を盛り込む見通しだ。(共同)

 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)は3号機が34年3月、4号機が37年7月に40年を迎える。

このエントリーをはてなブックマークに追加