国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門を開門する確定判決の効力を争う請求異議訴訟の差し戻し控訴審の進行協議が14日、福岡高裁(岩木宰裁判長)で開かれた。高裁は国側に対し、和解に向けた協議についての意見を、7月末までに書面で提出するように求めた。次回協議は8月18日に開かれる。

 非公開の進行協議後、開門派の漁業者側弁護団が明らかにした。協議は国側と漁業者側で別々に行われた。国側は口頭で意見を伝えたが、高裁は文書化を要求したという。次回期日を見据え、7月末の期限を提案した。国側の意見の内容について高裁は、書面化して正確を期すとして、漁業者側に明らかにしなかった。

 高裁の要求について、国側の担当者は「非公開の場の具体的なやり取りについて回答は差し控える」とした上で、和解協議については「平成29年の大臣談話に沿って、非開門で基金による解決という姿勢に変わりはない」と述べた。

 漁業者側は7回目となる上申書を提出した。馬奈木昭雄弁護団長は「次回までに国側の考え方が出てくる。これ以上の国による引き延ばしは許されず、紛争解決につながる議論ができれば」と話した。

 高裁は4月、事業を巡る問題が複雑化、深刻化している状況を踏まえ、「抜本的に解決するためには、話し合いによる解決のほかに方法はない」と指摘。「開門」「非開門」の前提条件を設けない和解協議の開始を提案していた。(小部亮介、中島幸毅)

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