モクちゃんと信じ合える関係構築中

 大地が水を含み続け、刈っても刈っても草に覆われる。生命力の源が水であることを感じる。

 毎週日曜日だけの農家カフェをしている。集落が途切れてさらに奥へ入った小さな雑木林の中にポツンと建っている。宣伝もネットもしていないのに、いろいろな方が来られる。

 先日来られた家族は子どもたちがずっと笑い転げていた。お昼に来て、食事をして、庭につないだわが家の子犬と遊んだり、大人だけ2階でくつろいだりして夕方までいらした。礼儀正しくて優しそうなご夫妻だが、目の奥に何かを持っていた。帰り際の立ち話の中で「今日は本当に久しぶりに家族でくつろげました。遊びで外出したのは1年半ぶりなのです」と言われた。

 医療従事者としてクラスターを出してはいけないという義務感の中で、自覚なく何かがたまり、真面目を通り過ぎて深刻になってしまったことが、スタッフたちを苦しめていたのではないかとここに来て気付きました、と言った。いくら安心安全と声を上げても、そこに信じ合える関係がなければ安心立命はない。信じ合えたら人は幸せだ。

(養鶏農家・カフェ店主 小野寺睦)

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