全日本ボクシング選手権第五日は二十六日、広島市中区スポーツセンターで各級の決勝を行い、バンタム級の前田真一(豊栄建設)が亜波連本親(あはれんもとちか、日本大)を判定で下し二年ぶり二度目の優勝。来年一月にフィリピンのマニラ市で行われるアトランタ五輪アジアゾーン二次予選への切符を手中にした。

 前田は1ラウンド後半から左右のストレート、右のアッパーを繰り出し確実にポイントを重ねた。2ラウンドはややインファイトに切り替え相手のボディー、顔面に的確なパンチを連打。ほぼワンサイドとなった最終3ラウンドは、序盤からストレート、アッパーを多用、終始相手をロープに追い込み勝利を決めた。

【バンタム級】
▽決勝
前田 真一 判 定 亜波連本親
(豊栄建設)    (日本大)

前田、応援が重圧はねのける

 今秋の福島国体に続き全日本タイトルも獲得。前田真一(豊栄建設)が念願のアトランタ五輪出場に大きく前進した。

 「周囲の応援がプレッシャーをはねのけてくれた。みんなで勝ち取った勝利です」と声を弾ませる前田。二人三脚を続ける山口正一監督も「苦しい練習の成果だ。前田の頑張りに脱帽です」と目を細めた。

 豊富な練習量と会社を含めた周囲のバックアップがアトランタへの扉を大きく開いた。残るは一月のアジアゾーン二次予選。「ボクシング人生を懸けて戦う」。語気を強める前田の眼はリング上の鋭さ以上に光輝いていた。

(1995年11月27日佐賀新聞掲載)

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