2013年に県立名護屋城博物館に展示された京都市保有の「黄金の茶室」(県提供)。今回の事業では博多の豪商・神屋宗湛の日記を基に茶室を再現する

 佐賀県は、唐津市鎮西町の県立名護屋城博物館に、豊臣秀吉(1537~98年)ゆかりの「黄金の茶室」を2022年3月をめどに設置する。茶室を目玉に名護屋城跡や周辺に残る戦国大名の陣跡の認知度向上を図り、周辺を文化ツーリズムの拠点として磨き上げる。

 黄金の茶室は、秀吉が京都御所や大坂城などで茶会や面会を行うために造らせた移動可能な組み立て式の茶室。朝鮮出兵の拠点として築いた名護屋城にも運ばれたとされる。名護屋城博物館は2013年、開館20周年記念で京都市所蔵の黄金の茶室を展示したことがある。

 今回のプロジェクトにあたっては、博多の豪商・神屋宗湛(そうたん)が記した「宗湛日記」を基に、金箔(きんぱく)で天井や壁が覆われた茶室を再現する。文化庁の補助金を活用し、事業費は5500万円。

 県は、地域の観光資源としての名護屋城跡や陣跡の利活用を目指す事業「はじまりの名護屋城」を昨年度からスタート。講演会やキャンプなどを行い、文化ツーリズムの機運の醸成を図ってきた。 

 12日は同博物館で茶室設置などに関する検討会の初会合が開かれた。委員らは実際に茶室が設置される場所を見学し、観光、茶道、建築などさまざまな観点から意見を出し合った。

 検討会の委員長を務める九州大大学院の中野等教授は「歴史を身近にするための野心的な試み。全国の人に名護屋城を知ってもらういい機会になる」と話している。(中村健人)

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