「考えさせてください」。伊万里実業高野球部の市丸虎之介君は1年前、監督にマネジャーへの転向を打診されてすぐには返事できなかった。新チームが始動し、試合に出られるように頑張ろうと気持ちを新たにした矢先だった。何度か悔し涙を流したに違いない。

 11日に開幕した高校野球佐賀大会を前に、同校の3年生の男子マネジャー、市丸君と山口達也君を記事で紹介した(4日付)。山口君は1年の夏に練習試合で大けがをして選手を諦めた。打撃投手やノッカーを務め、選手と同じように真っ黒に日焼けした2人。失意を乗り越えチームを支える姿がまぶしく見えた。

 というのも、私も中学で野球をしていて補欠で試合に出られなかった。2人と違うのは練習をサボりがちになったことで、後ろめたい思い出になっている。困ったことに、思い通りにならないといじける性格は今も変わらないが。

 伊万里実業はきょう13日、初戦に臨む。2人のマネジャーにとっても最後の夏、スタンドで精いっぱい応援してほしい。本意ではなかったマネジャーをやり通した経験は、これから先の人生の財産になると思う。

 ともに将来は教師になりたいという。いい先生になるだろうなあ。(伊万里支局・青木宏文)

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