福岡県など5道府県で12日、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除された。緊急事態宣言の期間を含めると約2カ月ぶりに隣県が「平時」に戻り、福岡県からの利用客が多い佐賀県内の観光地の業者や宿泊施設からは、感染再拡大を懸念しつつも業況回復に期待する声が聞かれた。

 マリンレジャーのツアーなどを運営する唐津市の「たいようアウトドアー!」。同社の利用者の約8割が福岡県からで、代表の古川陽進さん(43)は「唐津は観光の町。(福岡県の措置解除は)良いことだし、待ちわびたこと」と期待する。ただ、一度離れた顧客を呼び戻すことは難しく、「7、8月の繁忙期は利用者が増えないと困る。団体予約は減っており、個人でどれくらいカバーできるか」と不安ものぞかせる。

 この日、福岡市から体験しにきた藤川淳子さん(47)は「緊急事態宣言や『まん延防止』の時は、佐賀にあまり来ないようにしていた。今日は安心して来られたし、今後も行動しやすくなった」と話した。

 嬉野市の旅館街には福岡県からの宿泊客が多い。大村屋の北川健太社長は「5、6月に比べたら7月は動き出しているが、例年と比べれば半分ほど。夏休み前の解除は明るい兆し」と歓迎する。

 一方で、止まっていた客足が動き出すには「最初の一歩を後押しする施策が必要」と指摘。政府の観光支援策「Go To トラベル」の停止が続く中、「福岡、佐賀、長崎の隣県で使える宿泊クーポンがあれば動き始めるのではないか」と話した。(中村健人、中島佑子、大橋諒)

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