佐賀県産の小麦だけで作られた小麦粉「九州佐賀産こむぎ子」。薄力粉のほか中力粉、強力粉も取りそろえる=佐賀市の理研農産化工

黄金色に色づいた麦畑。佐賀は全国3位の作付面積を誇る=今年5月、小城市三日月町

 製粉事業などを手掛ける理研農産化工(本店・佐賀市)は、県産小麦100%の小麦粉の販売を始めた。その名も「九州佐賀産こむぎ子」。佐賀は全国3位の小麦産地だが、新種の作付けが増え、県内産だけで十分な量を確保し、生産が可能になったという。米や野菜などと違い、小麦は加工しないと販売ができないため、生産者の顔が見えにくい。関係者は、今回の製品化で「麦の産地、佐賀」を消費者や生産者に改めてPRし、産地の活性化につなげたいと意気込んでいる。

 商品は「純佐賀県産の小麦粉シリーズ」と銘打ち、一般的な薄力粉に加え、うどんやクッキーに使う中力粉、パンやピザに使う強力粉と3種を取りそろえ、「どんな料理にも自由自在」とPRしている。1袋500グラム入りで、オープン価格。秋からの全国販売に先駆け、7月から県内のスーパーなどに商品を置いている。

 小麦粉は通常、さまざまな種類をブレンドして製粉するという。同社は年間4~5万トンの小麦粉を生産しているが、これまで業務用を除く一般向けは薄力粉のみを販売していた。県産小麦だけでは十分に量を確保できない状態だったが、近年、たんぱく質含有量が多く、主に強力粉の材料となる「はるかぜふわり」の栽培が広がり、県内産だけで対応できるメドが立ったという。

 外国産が主流の小麦粉だが、最近は健康や安全安心志向から国内産の需要が高く、自分でパンを作る人も増えて特に強力粉を求める声が強いという。

 ようやく純県産小麦粉が実現し、同社は「佐賀で栽培した小麦が地元で商品化できた。地産地消として県民のみなさんにぜひ味わってほしい」と話す。初のテレビCMも行い、商品と同時に社の認知度も高めたいという。

 一般的に麦は、製粉会社などの実需者とJAなどが契約を結ぶため、農家は自分の育てた麦がどう利用されているかは分からないという。県農産課は「(商品化で)農家は自分の育てたものを目にし、食べてもらっていると実感できる。評価も聞ける」と意義を語り、生産者のモチベーション向上に果たす役割も大きいとみている。(宮里光)

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