開幕した「相田みつを全貌展」で作品を解説する相田一人館長=佐賀市の佐賀県立美術館(撮影・鶴澤弘樹)

相田みつを略年表

 「にんげんだもの」で知られる、書家で詩人の相田みつを(1924~1991年)の生涯をたどる「没後30年 相田みつを全貌展~みつをが遺したもの」(佐賀新聞社、RKB毎日放送主催)が8日、佐賀市の佐賀県立美術館で始まった。正統派の書家として期待された青年期をはじめ、「自分の書・自分の言葉」を追い求めた壮年から晩年にかけての約130点を集めた過去最大規模の回顧展。歳月をかけた末に行き着いた書の数々が来場者を魅了している。8月22日まで。

 代表作「にんげんだもの」「一生勉強一生青春」や、東日本大震災の支援のために人気グループ嵐のメンバーが朗読した「自分の番 いのちのバトン」などの作品が並ぶ。

 みつをは23歳で全国コンクールで一席となるなど、正統派の書家として期待された。だが、中国の古典の書も当時は日常語だったと知り、「自分の言葉で書いていいのでは」と考えるように。30歳の時、「筆一本で生きる」と宣言した。

 みつをの長男で、相田みつを美術館(東京)の相田一人(かずひと)館長(65)はギャラリートークで「家が貧しく、カメラ代わりに、子どもの成長を言葉で残した」として、長男誕生を祝った短歌「てのひらに」を紹介した。早産のわが子を手のひらに乗せ、命が輝く感動をしたためている。

 都内から駆け付けた江口邦子さん(83)は「みつをの作品を見ると、自分の心の汚さが分かる。心はいつも同じではないので、いつ見ても新鮮」と魅力を語った。唐津市の伊藤幸子さん(78)は「日めくりカレンダーを見ては、“こうしないといけないな”と思う日々。実物は迫力もある」と話していた。(福本真理)

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