地域の歴史などを学ぶ受講者。孔子の里は多様な講座を開いて生涯学習のニーズに応えている=2019年6月、多久市の東原庠舎

ジュニアガイドの講習を受ける義務教育学校の児童たち=6月20日、多久市の多久聖廟

 多久市の公益財団法人「孔子の里」(理事長・横尾俊彦市長)が発足して30年がたった。国重要文化財の多久聖廟(せいびょう)を核にした「文教の里」づくりを掲げて地域の歴史や文化などさまざまな講座を開き、市民の学びを後押し。受講をきっかけに市民の自発的な活動につながった事例もあり、事業の継続と一層の拡大が期待される。

 孔子の里では、古文書の研究や名物の岸川まんじゅう作りなど、市民らが講師を務める約10の講座を企画。2017年度以降は歴史や文化をより深く学びたいという人向けに、年10回程度の専門家の講演も開いている。

 高校教諭を退職後、歴史講座を受け始めた桑原峰俊さん(79)=同市北多久町=は「通うほどに好奇心が湧き、地域のことをもっと知りたいという気持ちになる。共に学ぶ仲間もできた」と話し、郷土史研究会でも活動を続けている。

 孔子の里は1990年2月、国のふるさと創生事業の交付金や民間からの寄付をもとに発足した。市の補助金も活用して市内の児童が観光客を案内する「ジュニアガイド」を育成、05年度からの15年間で121人が活動している。講座をきっかけに歴史上の人物を研究する市民グループや劇団も誕生した。

 ここ数年は講座の新設もあって受講者数は微増傾向だが、実数は200人前後にとどまっている。60代以上の高齢者が大半で、市民の生きがいや地域の活力につなげるためには幅広い世代のニーズに応える企画や関心を呼び込む仕掛けも求められる。

 新型コロナウイルスの影響で1年延期になっていた30周年式典が3日、市内で開かれた。横尾市長は「大人を含む教育の向上や、文化芸術の振興という目標を達成できるよう努力を続けていく」と決意を述べた。(谷口大輔)

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