やったことがないことを異国の地でやるのはどれほど大変だろう。玄海町の浜野浦の棚田で米づくりに挑戦しているインドネシア人のモハンマド・ジュプリアントさんを取材し、思いを巡らせた。

 ジュプリアントさんが「兄貴」と慕っていた松本孝志さんが交通事故で亡くなり、松本さんとの約束を果たすため未経験の米づくりをしていることを、これまで記事やコラムで伝えてきた。

 移住してきたばかりで実際にやっていくのは難しかったはず。それでも、地域住民のサポートを受けながら米づくりに励んでいる。住民と接するジュプリアントさんを見ていると、ずっと前から住んでいるように感じる。地域にすっかりなじんでいることも挑戦を後押ししている。

 松本さんは生前、棚田に季節の花を植える活動をしていた。今年はジュプリアントさんをはじめ、松本さんの仲間がそれを引き継いでいる。また、ジュプリアントさんは元ミュージシャン。得意とするウクレレの演奏を聴いたことがあるが、かなりの腕前だ。米と花と音楽。この三つに込められている思いが松本さんに届くことを願う。(唐津支社・中村健人)

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